ナチュラルシステムについて

ナチュラルシステムについての考察

   自分の水槽をベルリンシステムに変更するにあたって、Nifty-Serveのアクアリウムフォーラムやインターネットのメーリングリストを参考にしてきました。その結果自分なりにまとめたものを書きつづります。私自身大学で海洋化学(水族環境学)を専攻してきましたが、閉鎖的な水槽環境における専門書等を読んではいないので、おかしい箇所があれば、お教え下さい。


1. 今までの濾過システム

  現在、一般的に使われている濾過システムは、ほとんどのものが単純に物理的濾過を行っているだけに近く、濾材または、ウールマットの目より大きな有機物を濾している状態です。特に餌を多く与える水槽では濾材などに有機物が溜まり、これが逆に富栄養化の原因となります。これは、濾材上部のウールマットを取り除くだけでも水質向上に役立つことからも分かります。結果的に水槽内には有機物の最終分解物である硝酸塩などの栄養塩類が蓄積することから、従来の濾過システムでは好環境を保つために月に1回ないし2回の換水を必要とします。

2. 自然の海

  自然の海では、当たり前ですが、特に濾過装置をつけているわけではなく、自然なサイクルの中で有機物の無機化と最終分解物である栄養塩類の利用、還元が行われています。これにより円滑な物質の循環が行われ、低濃度の亜硝酸、硝酸塩が保たれ続けています。ただし例外的に人口密集地に近く、外海と海水の交換が行われにくい水域では、水槽に近い状態の所も見受けられます。(大阪湾、東京湾)ただ、地球全体の海水量に対する有機物量の割合は、水槽と比べものにならないものです。
閉鎖系水域と考えることのできる水槽も、海と比べれば大小の差はあれ、海と同じような有機物還元のサイクルを造ってやることで、特に現在一般的に利用されているような濾過システムを必要としないこととなります。

3. ナチュラルシステムの基本形

 最近、注目されだした濾過システムとして、ナチュラルシステムがあります。前項で説明した自然に近い形の濾過サイクルを水槽内に実現しようとするものです。私も現在のように飼育を始める以前から、経験的に下手な濾過をするより自然の海砂を水槽に入れた方が生物の保ちが良いことを薄々感じていました。 現在利用されているナチュラルシステムとしては、主に2つのものがあちこちで実践されています。モナコシステムと呼ばれるものと、ベルリンシステムと呼ばれるものです。共通点としてどちらも、水槽内に厚くパウダー状のサンゴ砂、それもライブサンドと呼ばれる自然から取ってきたものを入れます。これは、底砂上部に繁殖した好気性細菌により有機物の無機化をすすめ、さらに底砂下部の貧酸素・無酸素状態の部分に住む嫌気性細菌によって、栄養塩類の還元、窒素化を押し進めようとするものです。また、ライブサンドだけでなく、自然の海からそのまま取り出したライブロック(自然状態のサンゴ岩)をレイアウト用に設置することで、さらに好気性細菌の活動を助長します。(ライブサンド上層と同じ働き) これらにより硝酸塩類の蓄積が減少し、清浄な海水を保つことが出来ます。要するに換水の必要がなくなります。ただ換水せずに放っておくと、海水中の微量成分(Ca、I、Mo、Sr、Mgなど)が珊瑚など生体に利用されて減少しますので、これらの添加が必要となります。
 その他のナチュラルシステムとしては、海草の無機塩類吸収を利用したアルジースクラバーシステムなどがあります。